父のケータイ・母に見せたいネイル

 

また、父母それそれの施設に面会制限がかかりました。コロナ禍では仕方ないことですが、いつもと違うお正月を過ごします

91歳の父が、ついにケータイを使こなせなくなり・・・

 

夜中でも明け方でも、思いつくと電話してきた父ですが、近ごろめっきり静か・・・

と思ったら、どうやらケータイの使いかたが急にわからなくなった模様

今までも一時的に「運転モード」しているなどの操作誤りや、本体行方不明で施設のスタッフさんに手伝ってもらうなど、騒動には慣れていましたが、このたびは限界かも

元気?なときは「今度来るとき、〇〇買ってきて」「弟の○○が夢に出てきたが、元気かな?」(いや結構前に亡くなってますよ)「おい、本家の墓はどうなっている?」「俺はこの歳までよく頑張ってるよなぁ」など、別にどうでもよい話を夜中・明け方に連日かけてこられ、頭にきて鳴らないモードにして寝ていました

朝起きて着信を確認して「ああ、お父さん今日も元気だな」と安心して?放っていたころが、懐かしくなります

こちらからかけても応答がなく気にかかっていましたが、先日久しぶりに通話できました

「みな元気か?こんなご時世だから気を使わなくていいぞ。ジイさんはひとりでも年を越せる」寂しがりやのありがたいお言葉

「ただ、お母さんの顔がみたいなぁ、、、」うん、お父さん、それが一番むずかしい

お正月は、お泊りも一緒に食事もできないけれど、父の好きな市田柿をお土産に10分でも顔を見られたら・・・どうでもよい話をしに行きたいと思います

 

 

リモートや制限付き面会では限界あり。母は、会えない間に・・・

 

母はレビー小体型認知症です。現在認知症患者の20%を占めるといわれますが、比較的最近パーキンソン病の症状から発見されたタイプです

初期の頃は、アルツハイマー型よりしっかりした感じでしたが、症状が進むと幻視などの症状を訴え、不安や混乱・怒りの感情を抑えられないことが多く、「わからない、どうしてみんなで私をいじめるの?」と興奮したりすることもありました

頑張り屋の母が自分の変化に「何とかしなければ」と対応した結果なのだとは理解していても、周囲はなかなか思ったようなケアはできませんでした。いちばん辛いのは、強い不安や混乱、怒りを感じている母本人だったのです

 

専門施設にお世話になって、2020年の秋でちょうど丸2年。穏やかに暮らしていますが、集中力が続かず食事の介助も増え、口数はめっきり減りました

父のことはほぼわかりますが、私については認識するときもしないときもあります

それでもいつもゴキゲンで、「私にとってとても大事な人だ、会えてうれしいな」という心の声が聞こえるようです。私も母も、面会中はずっとニコニコとお互いの手をさすりあうだけで、会話なしでも充分幸せでした

楽しみは、毎月変わる私のネイルデザイン。いつも感想を言ってくれていましたが、

最近では「お母さん、今月のネイルはどう?」「あらぁ、うんうん、き・れい・ねぇ・・・」くらい

それでも大事な大事な時間でした

 

進行した認知症の場合、リモート面会ではコミュニケーションは取りづらい

制限付き面会の「マスクをしたままで触れあってはいけない」では手が握れない、涙しか出ません

母に見せるための、喜んでもらうためのサロンネイル、中断して・・・もう半年になります

 

 

施設スタッフの皆様、毎日気を張って入所者を守ってくださり、ありがとうございます

全国の認知症の親を持つ帰省できない皆さま、めげずにがんばりましょう

はやく、コロナ収束の日が来ますように、本当に、本当に心から願っています